HOT AIR ROASTED COFFEE WITH A SPECIAL AROMA

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About coffee

コーヒーについて

  
コーヒーの果実
 
 
コーヒーの起源については諸説あり、1000前くらいに発見され15世紀にはイエメンやアラビア半島の中東に持ち込まれたようです。
イスラム教の人々がコーヒーチェリーから作るお茶のようなもので夜間の祈祷時の眠気を覚ましていたとか。
この刺激作用が知れ渡り、貿易商や見識者がコーヒーをお茶のように飲むようになり様々な交流の場で用いられるようになりました。
16世紀に入ると、コーヒー豆自体を煎り、細かく砕いて湯で淹れるように少しずつ味が美味しくできるように現代の淹れ方に近いものになりトルコや北アフリカへと伝わったようです。
 
 
コーヒーの樹は「コーヒーノキ」と呼び、年に1回、また2回長い雨季の後花を咲かせます。
花が咲いた後に赤いコーヒーチェリーと呼ばれる果実が実ります。
ほとんどのコーヒーチェリーの収穫期は年に1回で、日本の農産物で言うとお米の収穫のような感じです。
2期作の地域も稀にありますが果実は小さめで品質は若干落ちるようです。
果実が収穫できるまでには約9か月掛かり、全ての果実が一斉に熟すわけではないので収穫には一つずつ実った果実をとるタイミングがあり生産農家は厳しい選択を強いられます。
またサビ病と呼ばれる絶対寄生菌やコーヒーノミキクイムシという害虫による被害で一時期、品種により生産が途絶えた国もありました。
 
 
コーヒーの樹
  
コーヒーチェリー
 
コーヒーチェリーと呼ばれる果実は、中に種子が通常2つあり1つだけあるものも稀にあり、ピーベーリーと呼ばれます。
果実は外皮・果肉・パーチメント・シルバースキンに覆われていて、収穫・精製・乾燥・脱穀・袋詰めされた後の生豆が私達の手元に送られてきます。
コーヒーを商品として出荷するには色々な生産処理があり主にドライプロセス、ウエットプロセス等が代表され、生産国やその地方、農園により違いがあります。
これらの処理工程も最大で2ヶ月ほどかかります。
サイズや色、比重などで等級を決めて選別されコンテナで船積みされ長い旅へと向かいます。
 
 
コーヒーノキは種子から発芽させ苗木で一本ずつ丁寧に育てます。
6~12か月で苗木が十分に育ったら農園に移植して3年間ほど育てます。
やがて成長したコーヒーノキは白い花を咲かせジャスミンのような匂いを発します。
花の咲いた後に果実が実り始めます。
赤いコーヒーチェリーが実るまでには約9ヵ月ほど掛かります。
 
 
コーヒーの苗
 
収穫
収穫過程
 
精製
精製過程
 
乾燥
乾燥過程
 
脱穀
脱穀過程
 
袋詰め
袋詰出荷 

コーヒーの品種

 

コーヒーはエチオピアに原産種があると言われ、近年の調査では南スーダン辺りにもその種があったのではと研究されています。コーヒーの品種はアラビカ種・カネフォラ種・リベリカ種とおおまかに原種が3種あり、後に人工的、或いは自然発生的に交配され枝分かれしていきました。
アラビカ種が主要の取引種ですが病害虫に弱い為、人の手で管理された生産が必用な種です。カネフォラ種はアラビカ種より品質が劣りますが、苦味が強い為、エスプレッソ用や缶コーヒー用のブレンド用として用いられます。
リベリカ種はほとんど研究用としてのみで流通にはあまりありません。
右図は大まかな分類です。

 
コーヒーベルト図
今では70ヵ国ほどあるようです。

コーヒーの生産量の国別割合

生産量割合

1位 ブラジル
栽培されている種類は主にアラビカ種ですが、国土が広大なので、様々な種類のコーヒーが栽培されています。
 
2位 ベトナム
1990年代には生産量が急激に伸び、第2位のコーヒー生産国にまで成長しました。カネフォラ種以外にアラビカ種の栽培にも近年は力を入れています。
 
3位 コロンビア
かつてスペイン領だったコロンビアでは18世紀後半に、コーヒーの栽培が始まりました。高品質のアラビカ種の生産国として知られています。

コーヒーの格付け

コーヒーは大別して表にあるように格付けされていて、最も良質なコーヒーはスペシャリティーコーヒーとなり、全体の生産量の5%ほどしかありません。その中でも最高級のものはCOE(カップオブエクセレンス)と呼ばれ品評会で賞をとったものは高値で取引され、その生産農家も高い評価を得て高額の価格で取引ができます。
スペシャリティーコーヒーの多くは、シングルオリジン(単一農場・同じ国の複数の農場)で生産された良質のコーヒーを指し、消費者だけでなく「生産者にも利益をもたらすコーヒー」であることを目指しています。そして生産者の賃金が保障された生産体制のコーヒー豆である概念があります。そして生産者の十分な利益を確保し、コーヒー栽培を継続的に安定して行うことができる状態を指して使われます。
また、スペシャルティコーヒーにはサステナビリティ(持続可能性)として生産者の賃金保障だけでなく、環境配慮、社会倫理への配慮についても含まれます。「生産者の生活を害しない生産体制の確保」という観点はスペシャルティコーヒーの大きな特徴です。
 
 

レインフォレスト・アライアンス認証

サステナブルと認められた農園等に与えられる認証制度があります。例えば、コーヒー認証制度ではレインフォレスト・アライランス認証がよく使用されています。
RA認証マーク

コーヒーの焙煎

 
コーヒーは生豆のまま商社や買い付け業者から輸入され、それから大小様々なロースターと呼ばれる焙煎業者に買い取られます。そこからコーヒーの生豆を煎る行為の焙煎によって、よく見かけるこげ茶色のコーヒーとして袋詰めされ私達の手元に届きます。この焙煎によってコーヒーの成分が変化して様々な風味や香りに変化して美味しく頂く事ができるようになります。浅煎りから深煎りまで様々な煎り具合いで嗜好され、この焙煎の良し悪しで大幅に味が変化するのでロースター達は腕を競い合い市場を活性化させています。大昔は家庭でも鍋やフライパンなどの家庭にある調理器でそのまま煎っていたようです。近代になると、専用の焙煎機が開発されプロバットやギーセン・ローリングといった大手のメーカーも人気を博しています。様々な機種や熱源を利用しているものがあり、焙煎士による思い入れや感覚によっても違いがあるので好みがわかれるところでもあります。
 
主な焙煎機
 
古式焙煎写真
焙煎機から出る煎り豆
 
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フレーバー

 
カッピング写真A
カッピング
カッピング写真B
 
業者がコーヒー農家からコーヒー豆を仕入れた時や、カフェの店員がコーヒー豆を仕入れた時に、コーヒーの味や品質がしっかりとしているのか確認する為に「カッピング」という作業を行います。 また、コーヒー豆の品評会でもどこの農家が作ったコーヒー豆が美味しいのかを判断する時にも当然ながら確認をしています。ワインで言うところのテイスティングに該当し、コーヒー豆の良し悪しを総合的に評価します。 カッピングがコーヒーの味を判断する絶対的な判断基準というわけではないですが、より詳しくコーヒーの味を見極めるためには、現時点でカッピングが有効な手段です。カッピングは香りをチェックし、香りを図るタイミングは大まかに3つに分かれています。香りをドライ・クエスト・ブレイクの3つのタイミングで行い、香りの評価が終わったら、いよいよ味と風味の評価を行います。コーヒーの味をチェックする作業をテイスティングと言い、カッピングを行うためのスプーンを使います。カッピングスプーンでコーヒーを入れたら、それをすするような形で一気に口の中に入れます。テイスティングではコーヒーが熱い状態も冷たい状態も両方行い、アロマやフレグランス、またナッツやハーブの香りなど、他の食べ物の香りと比べます。次に酸味を確かめ、爽やかな酸味なのか安っぽく酸っぱい酸味なのか確認します。そしてコクと呼ばれるボディ感を確かめます。コクのあるコーヒーはバターやクリームのようなコクなどと言われたりし、コクのないコーヒーは滑らかすぎて水っぽいと評価されます。 そしてアフターテイストと呼ばれる余韻を確かめ、コーヒーを飲んだ後に残る感覚のことを指し、渋みや苦みの残るコーヒーかを評価します。そしてクリーンカップと呼ばれる透明感を確認し透明感のないコーヒーは濁りのあるコーヒーなどと表現されます。他にも、コーヒー豆の持つ個性をフレーバー、風味と酸味とコクの調和をバランス、何杯か淹れたコーヒーが全て同じかどうかをユニフォーミティ、コーヒーの甘みをスウィートネスと呼んで評価します。
 
 

 
 
カッピングを行う方法はいくつかあり、「SCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)方式」と「COE(カップ・オブ・エクセレンス)方式」の2つが有名です。 COE方式のほうがより多くの項目をチェックして少量のコーヒー豆をより厳正に評価する場合にはCOE方式が向いているかもしれません。

SCAAフレーバーホイール
コーヒーには様々な風味がありますが、コーヒーを普段飲まない方でも苦い・酸っぱいなどの感覚はお持ちでしょう。
近年のスペシャリティーコーヒー人気で産地から直接届く新鮮な豆を楽しむ思想が生まれてアメリカのスペシャリティーコーヒー団体(SCAA)が作成したフレーバーホイールがあります。スペシャリティーコーヒーというブランディングのおかげで、今日のコーヒー文化も活性化され向上された点は世界が疑わない事実でしょう。
複雑な味をカッピング・テイスティングで表現する為に利用しているコーヒー愛好家達は多いですが、食文化や植物等の生存種の違いでアジア圏や他の文化圏での表現のイメージがわかりにくいと近年問題視する意見も出はじめました。
コーヒー消費量の多い北米文化の表現をベースにしていますし、コーヒー文化を牽引し影響力を講じたい為でもあるかもしれません。
コーヒー農家にとっては利益になり、取引量も多く高値で買い取ってもらえるのはありがたい事なのでそこはとてもいいと思います。
しかし、ここ数年でアジア圏で自国のフレーバーホイールを作ろうという動きがあらわれているようです。
普段の食文化の風味が、とてもブラックベリーやザクロ・カモミール・ジャスミンなどと聞きなれない表現が多いからなのです。
スパイスや乳酸発酵・嫌気性発酵等・発酵食品の風味や香りを嗅いでいる文化圏も多いからだそうです。
また、生産国であった中南米諸国の人々も自国の国でのコーヒー文化は今まで発展してきていませんでしたが、近年意識が変わり始め美味しいコーヒーを自国で飲もうとしてきています。
お茶のイメージの強かった中国・台湾でもカフェが多くできて、今では生産国と消費国を兼ねてきていてそのうち北米や欧州のフレーバー意識は影を潜めるかもしれまん。
また、本来日本人は味の表現に複雑な言葉と価値観を持っているはずですので日本版のフレーバーホイールができるのもいいかもしれません。欧米諸国の人々の舌や嗅覚で感じとっている感覚なので、科学的に成分分析までしているわけではないですから、そこまで厳密に右に倣えで合わせる必用もないのかもしれません。日本のウィスキーが海外で賞をとるなど日本人には独特の味覚と嗅覚が備わっているはずですから。
コーヒー農家や生産国を守ることはもちろんいいことです。ただ消費者や消費国も大事にしないとコーヒー文化を守っていけないかもしれません。
特別なスペシャリティーコーヒーでも普段飲むブレンドコーヒーでも自身が美味しいと思えればそれが本当に美味しいコーヒーなのかもしれません。
生産国としての日本ではないですから、輸入に頼らざるを得ないコーヒーはどれも有難く大切に、美味しく頂けばいいと思います。
かのニッカウイスキーの創業者は戦場から帰ってきた甥に「安くて二級品のウイスキーでもわしらには命の源だった」と言われ愕然としたと語っています。
マッサンの愛称で呼ばれた創業者はブレンダーとしても超一流でした。 その後、安くて旨いブレンドウイスキーをヒットさせ庶民を喜ばせた話は朝ドラでも有名になり皆さんご存じかと思います。
また、コーヒーは水を介し飲用する飲み物なので、水質(特に水硬度)がもっとも重要な要素になります。水硬度が30ppm以下の軟水で頂く事が美味しく飲用する要素です。
美味しいコーヒー生産国なのにそのコーヒーを飲んだ事がないという国の人々が多い中で、コーヒーの恩恵にある日本。

今、コーヒーの生産は大きなうねりの中にあり存続の危機や問題も多くあります。
世界中でコーヒーが身近な飲み物として持てはやされ、投機の対象にもなっています。
かつては豊かな国の飲み物としてのイメージでしたが、今や生産国も日常の飲み物になり、お茶のイメージがあるアジア圏でも大量に消費されるようになりました。
需要と供給のバランスが崩れ始め、よりよい商品を開発し市場で高値で売る儲けの道具になりつつあります。
 
そして知りたくなかった情報かもしれませんが、全ての農作物に言える事で、あえて言うとコーヒーにも農薬の問題があります。
世界中の農作物で農薬使用量の一番多いものは綿花になり、次に多いのが実はコーヒーです・。
世界中の7割のコーヒーが農薬を使用して生産している事実は知りたくなかった情報かもしれませんね・。
綿花とコーヒーの農薬使用を止めれば世界中の農薬の1/3がなくなるとの指摘もあったり。
主な農薬の種類は除草剤・殺虫剤・くん煙剤などがあり、特にくん煙剤は防疫の観点から国内に輸入される際に、食品ではなく植物として輸入される為に対植物としての殺虫処理を必然的に課せられます。
このくん煙剤には臭化メチルという神経毒がありオランダでは発癌性があるとして劇物に指定されています。
日本の生態系を守る防疫の観点から劇薬で害虫駆除をするということで食品としての安全性は考慮していないという点です。
また、レインフォレスト・アライアンス認証は持続可能な農業基準という4つの方針を掲げていますが、森林の保護・農村地域の人々の人権保護・生産者の暮らしの向上・気候変動の適応力構築が目的で農薬を必ず使わないと謡っているわけではなく、ざっくりとした環境保護を目的としているだけのようです。
そして有機JAS認証の農産物においてもオーガニックで無農薬だから安心と思われがちですが、解釈の違いで必ずしも農薬を完全には使用しないという事ではないようです。

「美味しいコーヒーを毎日飲みたい」という気持ちは誰しも思うところですが、飲み過ぎず距離感をもって適度な量を頂くことがよさそうですね。
また、なんと言ってもコーヒーの木の、特にアラビカ種において、さび病という致命的な病気がおこる可能性もあります。
さび病は、コーヒーの葉に錆び付いたような斑点が次第に増え、光合成を失わせ、落葉させ、空気感染・水を媒介して感染しコーヒーの木そのものを枯らしてしまうという致命的な病気です。
さび病が見つかったコーヒー農園は数年にわたり、対応に追われて場合によりその農園自体が消滅してしまう過去の歴史があります。
適切な間引き等の処置や被害にあったコーヒーの木を伐採して対応する以外、現在方法は見つかっていません。
1970年にはブラジルに大規模なさび病の被害が出て、その後数年にわたり中米諸島にまで被害が拡大し、世界のコーヒー市場を大混乱に陥れました。
セイロンティーで有名なスリランカは紅茶の産地として世界的に有名ですが、元々はコーヒーの一大生産国でした。
スリランカのコーヒー産業は1869年にさび病が大発生し壊滅してしまいました。
それに代わる産業としてとしてスリランカが導入したのが紅茶の栽培であり、それが現在まで続いています。
近年においてはコーヒー栽培は少しづつ回復の兆しがあるようです。
コーヒー栽培の歴史は、さび病との戦いの歴史といっても過言ではない程、さび病の影響力は計り知れません。
近年では、さび病に強い耐性のロプスタ種と掛け合わせた品種改良(ハイブリット種)がおこなわれていますが種の保存の観点からこれが適切かどうかは分かりません。
コーヒー農家にとって、最も頭を悩ませるのが、このさび病対策です。

それらにより、新たな動きとして嫌気性発酵による風味付けに代表されるものが近年有名になり、もう1つは凍結解凍覚醒(FTA農法)による新たな農法です。
種子に特殊溶液に浸しマイナス60℃までゆっくり凍結し氷河期を種子に疑似体験させ、その後ゆっくり解凍していくというプロセスを、田中節三氏が長年の研究で発明し皮まで食べられるもんげーバナナが話題になりました。
そして今もう一つ気になるのが、全ての種子をもつ野菜や果物に言えますがF1種という人工的に作られた一代限りの種での品種です。
在来種(固定種:その土地で育った何世代もそこにある種)と違い、大きさが同じになり、生育がいい、甘くて柔らかくなる、雄性不稔といいいミトコンドリア遺伝子で花粉を作れない不妊植物だそうです。
つまり、在来種であれば、農家は毎年種子を翌年の苗木用に保存できますが、F1種になると毎年、種子を種子会社から購入しなくてはなりません。
種子会社が種を譲ってくれなくなるとそれで生産はできなくなります。
世界中の人々にコーヒーを供給する為には仕方がないのかもしれませんが非常に危惧しています。
最近、日本でも改正種苗法が制定され国内で流通している野菜や果物はほとんどがF1種だそうです。
参考文献:わたしたちは「子孫を残さない野菜」を食べている。
 
WCRは、2025年までにセントラルアメリカおよびアフリカの農家向けに地域に適応した品種をリリースすることを目指しています。
科学的な側面からの発想と市場原理や後々の利権によるかたよりがちな側面もありますので、今後の状況を注視していったほうがいいのかもしれません。

コーヒーを売る立場にありながら矛盾しているようで恐縮ですが、結局のところコーヒーは嗜好品で豊かな生活を演出する為のものでありそれ以上、またはそれ以下でもないのかもしれません。
しかし、コーヒーは現代人にとってまだまだ魅力的な飲み物である事は間違いがないと思います。
もともと自生していた植物であるコーヒーにとっては、食べられる為に生まれてきたつもりではないはずですから、勝手に人間の都合で品種改良されたり大量栽培されたりではた迷惑な話だ、なんて思っているかもしれませんね。 そのコーヒーをどこででも飲める日本人はまだ幸せなのかもしれません。
それ故に一杯・一杯をありがたく大切に頂きたいものですね。