About coffee
コーヒーについて
コーヒーの品種
コーヒーの生産量の国別割合
1位 ブラジル
栽培されている種類は主にアラビカ種ですが、国土が広大なので、様々な種類のコーヒーが栽培されています。
2位 ベトナム
1990年代には生産量が急激に伸び、第2位のコーヒー生産国にまで成長しました。カネフォラ種以外にアラビカ種の栽培にも近年は力を入れています。
3位 コロンビア
かつてスペイン領だったコロンビアでは18世紀後半に、コーヒーの栽培が始まりました。高品質のアラビカ種の生産国として知られています。
コーヒーの格付け
また、スペシャルティコーヒーにはサステナビリティ(持続可能性)として生産者の賃金保障だけでなく、環境配慮、社会倫理への配慮についても含まれます。「生産者の生活を害しない生産体制の確保」という観点はスペシャルティコーヒーの大きな特徴です。
レインフォレスト・アライアンス認証
コーヒーの焙煎
フレーバー
近年のスペシャリティーコーヒー人気で産地から直接届く新鮮な豆を楽しむ思想が生まれてアメリカのスペシャリティーコーヒー団体(SCAA)が作成したフレーバーホイールがあります。スペシャリティーコーヒーというブランディングのおかげで、今日のコーヒー文化も活性化され向上された点は世界が疑わない事実でしょう。
複雑な味をカッピング・テイスティングで表現する為に利用しているコーヒー愛好家達は多いですが、食文化や植物等の生存種の違いでアジア圏や他の文化圏での表現のイメージがわかりにくいと近年問題視する意見も出はじめました。
コーヒー消費量の多い北米文化の表現をベースにしていますし、コーヒー文化を牽引し影響力を講じたい為でもあるかもしれません。
コーヒー農家にとっては利益になり、取引量も多く高値で買い取ってもらえるのはありがたい事なのでそこはとてもいいと思います。
しかし、ここ数年でアジア圏で自国のフレーバーホイールを作ろうという動きがあらわれているようです。
普段の食文化の風味が、とてもブラックベリーやザクロ・カモミール・ジャスミンなどと聞きなれない表現が多いからなのです。
スパイスや乳酸発酵・嫌気性発酵等・発酵食品の風味や香りを嗅いでいる文化圏も多いからだそうです。
また、生産国であった中南米諸国の人々も自国の国でのコーヒー文化は今まで発展してきていませんでしたが、近年意識が変わり始め美味しいコーヒーを自国で飲もうとしてきています。
お茶のイメージの強かった中国・台湾でもカフェが多くできて、今では生産国と消費国を兼ねてきていてそのうち北米や欧州のフレーバー意識は影を潜めるかもしれまん。
また、本来日本人は味の表現に複雑な言葉と価値観を持っているはずですので日本版のフレーバーホイールができるのもいいかもしれません。欧米諸国の人々の舌や嗅覚で感じとっている感覚なので、科学的に成分分析までしているわけではないですから、そこまで厳密に右に倣えで合わせる必用もないのかもしれません。日本のウィスキーが海外で賞をとるなど日本人には独特の味覚と嗅覚が備わっているはずですから。
コーヒー農家や生産国を守ることはもちろんいいことです。ただ消費者や消費国も大事にしないとコーヒー文化を守っていけないかもしれません。
特別なスペシャリティーコーヒーでも普段飲むブレンドコーヒーでも自身が美味しいと思えればそれが本当に美味しいコーヒーなのかもしれません。
生産国としての日本ではないですから、輸入に頼らざるを得ないコーヒーはどれも有難く大切に、美味しく頂けばいいと思います。
美味しいコーヒー生産国なのにそのコーヒーを飲んだ事がないという国の人々が多い中で、コーヒーの恩恵にある日本。
今、コーヒーの生産は大きなうねりの中にあり存続の危機や問題も多くあります。
世界中でコーヒーが身近な飲み物として持てはやされ、投機の対象にもなっています。
かつては豊かな国の飲み物としてのイメージでしたが、今や生産国も日常の飲み物になり、お茶のイメージがあるアジア圏でも大量に消費されるようになりました。
需要と供給のバランスが崩れ始め、よりよい商品を開発し市場で高値で売る儲けの道具になりつつあります。
そして知りたくなかった情報かもしれませんが、全ての農作物に言える事で、あえて言うとコーヒーにも農薬の問題があります。
世界中の農作物で農薬使用量の一番多いものは綿花になり、次に多いのが実はコーヒーです・。
世界中の7割のコーヒーが農薬を使用して生産している事実は知りたくなかった情報かもしれませんね・。
綿花とコーヒーの農薬使用を止めれば世界中の農薬の1/3がなくなるとの指摘もあったり。
主な農薬の種類は除草剤・殺虫剤・くん煙剤などがあり、特にくん煙剤は防疫の観点から国内に輸入される際に、食品ではなく植物として輸入される為に対植物としての殺虫処理を必然的に課せられます。
このくん煙剤には臭化メチルという神経毒がありオランダでは発癌性があるとして劇物に指定されています。
日本の生態系を守る防疫の観点から劇薬で害虫駆除をするということで食品としての安全性は考慮していないという点です。
また、レインフォレスト・アライアンス認証は持続可能な農業基準という4つの方針を掲げていますが、森林の保護・農村地域の人々の人権保護・生産者の暮らしの向上・気候変動の適応力構築が目的で農薬を必ず使わないと謡っているわけではなく、ざっくりとした環境保護を目的としているだけのようです。
そして有機JAS認証の農産物においてもオーガニックで無農薬だから安心と思われがちですが、解釈の違いで必ずしも農薬を完全には使用しないという事ではないようです。
「美味しいコーヒーを毎日飲みたい」という気持ちは誰しも思うところですが、飲み過ぎず距離感をもって適度な量を頂くことがよさそうですね。
また、なんと言ってもコーヒーの木の、特にアラビカ種において、さび病という致命的な病気がおこる可能性もあります。
さび病は、コーヒーの葉に錆び付いたような斑点が次第に増え、光合成を失わせ、落葉させ、空気感染・水を媒介して感染しコーヒーの木そのものを枯らしてしまうという致命的な病気です。
さび病が見つかったコーヒー農園は数年にわたり、対応に追われて場合によりその農園自体が消滅してしまう過去の歴史があります。
適切な間引き等の処置や被害にあったコーヒーの木を伐採して対応する以外、現在方法は見つかっていません。
1970年にはブラジルに大規模なさび病の被害が出て、その後数年にわたり中米諸島にまで被害が拡大し、世界のコーヒー市場を大混乱に陥れました。
セイロンティーで有名なスリランカは紅茶の産地として世界的に有名ですが、元々はコーヒーの一大生産国でした。
スリランカのコーヒー産業は1869年にさび病が大発生し壊滅してしまいました。
それに代わる産業としてとしてスリランカが導入したのが紅茶の栽培であり、それが現在まで続いています。
近年においてはコーヒー栽培は少しづつ回復の兆しがあるようです。
コーヒー栽培の歴史は、さび病との戦いの歴史といっても過言ではない程、さび病の影響力は計り知れません。
近年では、さび病に強い耐性のロプスタ種と掛け合わせた品種改良(ハイブリット種)がおこなわれていますが種の保存の観点からこれが適切かどうかは分かりません。
コーヒー農家にとって、最も頭を悩ませるのが、このさび病対策です。
それらにより、新たな動きとして嫌気性発酵による風味付けに代表されるものが近年有名になり、もう1つは凍結解凍覚醒(FTA農法)による新たな農法です。
種子に特殊溶液に浸しマイナス60℃までゆっくり凍結し氷河期を種子に疑似体験させ、その後ゆっくり解凍していくというプロセスを、田中節三氏が長年の研究で発明し皮まで食べられるもんげーバナナが話題になりました。
そして今もう一つ気になるのが、全ての種子をもつ野菜や果物に言えますがF1種という人工的に作られた一代限りの種での品種です。
在来種(固定種:その土地で育った何世代もそこにある種)と違い、大きさが同じになり、生育がいい、甘くて柔らかくなる、雄性不稔といいいミトコンドリア遺伝子で花粉を作れない不妊植物だそうです。
つまり、在来種であれば、農家は毎年種子を翌年の苗木用に保存できますが、F1種になると毎年、種子を種子会社から購入しなくてはなりません。
種子会社が種を譲ってくれなくなるとそれで生産はできなくなります。
世界中の人々にコーヒーを供給する為には仕方がないのかもしれませんが非常に危惧しています。
最近、日本でも改正種苗法が制定され国内で流通している野菜や果物はほとんどがF1種だそうです。
参考文献:わたしたちは「子孫を残さない野菜」を食べている。
WCRは、2025年までにセントラルアメリカおよびアフリカの農家向けに地域に適応した品種をリリースすることを目指しています。
科学的な側面からの発想と市場原理や後々の利権によるかたよりがちな側面もありますので、今後の状況を注視していったほうがいいのかもしれません。